■インディビジョン
かつて貧しい時代・地域に於いては、辻々に設置された街頭テレビは大衆に対する娯楽の提供を行った。後にこの装置が一般の家庭に普及すると教育の一端を担う共に、大衆の生産を行っていると見なされ、テレビの視聴を持って大衆と位置付ける人も見られる。 その一端には活字離れに対する危惧がある訳だが、近年では質の高い番組も増えた事から、文化的なメディアと位置付けられる場合もあり、一概にテレビ視聴を大衆の特徴と位置付けるケースは減っている。 しかし猥雑とされる放送内容も少なくないことも在り、今尚テレビ放送を目の仇にする教育関係者も見られ、同様の考えから視聴する側を長時間拘束しがちな他の娯楽メディアに対しても、一定の嫌悪感を表明するケースも見られる。 近代では漫画が、現代ではテレビゲームがその「大衆の消費するメディア」の槍玉に挙げられている。またこの他にも、写真週刊誌が下世話な好奇心を煽っているとして敵視されたが、イエロー・ジャーナリズムの類として社会に飽きられるのも早かったため、一過性の傾向に終わっている。 一方、大衆はこれらメディアに扇動されやすいとも見なされる。これは大衆が暗示に弱く、また自己の判断能力に自信がないため、大勢に同調しやすい傾向があるためだとされている。他方、教育の不足から来る迷信や、判断材料不足も関係するとされ、結果的に扇動されやすいのだと説明されるケースも見られる。 これらは先の活字離れと並んで理科離れに於いても問題の一端として挙げられる傾向があり、特に知識や理解が不足することで、正しい判断が行えないのだと言われている。 メディアそのものが大衆性、群集性を示現するものとしてメディアスクラムが挙げられる。報道被害の原因としてメディアの大衆性が問題となる。 大衆でも、特に統制を失ったまま流動する「群集」(→人間の群れ)は、危機管理の対象として扱われる。 群衆警備となればパニックや群衆雪崩、将棋倒しによる事故を防止するという側面がより強調される(例:明石花火大会歩道橋事故) プロパガンダ(Propaganda)とは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する宣伝行為。情報・心理戦の技術の一つであり、しばしば大きな政治的意味を持つ。最初にプロパガンダと言う言葉を用いたのは、カトリック教会の布教聖省(Congregatio de Propaganda Fide)の名称である。ラテン語のpropagare(繁殖させる)に由来する。 利益追求者(政治家・思想家・企業人など)や利益集団(国家・政党・企業・宗教団体など)、中でも国民が支持しているということが権力の正当性であると主張する各種政体の国家において国民の支持を勝ち取り維持し続けるための履歴書 は重要なものとなる。自勢力やその行動の支持を高めるプロパガンダのほかに、敵対勢力の支持を自らに向けるためのもの、または敵対勢力の支持やその行動を失墜させるためのプロパガンダも存在する。 本来の意味でのプロパガンダはこうしたものであるが、政治的目的を達成するためのプロパガンダは封建主義を否定・抑制する国民国家の台頭が見られ始めた20世紀初頭より多く用いられてきた。ソビエト連邦やナチス政権下のドイツ、アメリカなどの国策プロパガンダは大規模かつインパクトの強いものであったことで、プロパガンダの代表例として語られることが多い。そのためプロパガンダという言葉を国策宣伝に限定したり、虚偽や誇張といったネガティブなイメージを持って使用されることも多い。 主に下記が挙げられる。 大地震や伝染病流行などの自然災害、或いは敗戦・内戦・経済不況(恐慌・就職氷河期、社会保障制度の破綻)・テロ事件・原発事故・原油流出事故などの人的災害、これらの苦難に直面し疲弊している社会的集団を励まし、復興意欲を喚起させる。 定めた成功目標(戦勝・革命・仕事 効果が望めるイベントの成功・競合分野での覇権拡張・生産ノルマ達成・iso取得・CO2削減やリサイクル社会追求などの環境保護運動)の完遂に関わる社会的集団の構成要員動員の円滑化を目指す。 利益追求者(政治家・思想家・企業人など)や利益集団(国家・政党・企業・宗教団体・学問での学派や学閥・過激自然保護団体・弱者救済代弁を謳いつつも形骸化してる団体)が競合相手(もしくは間接的に利益が衝突する集団)の立場失墜や消失・無力化を狙うもの。 利益追求者(政治家・思想家・企業人など)や利益集団(国家・政党・企業・宗教団体・学問での学派や学閥・過激自然保護団体・弱者救済代弁を謳いつつも形骸化してる団体)により、利権の新規要求・現状維持を正当化させるもの。 レッテル貼り - 攻撃対象となる人や集団、国、民族にネガティブなイメージを押し付ける。 華麗な言葉による普遍化 - 対象となる人物や集団に、多くの人が普遍的価値を認めているような価値と認知度を植え付ける。 転移 - 多くの人が認めやすい権威を味方につける事で、自らの考えを正当化する試み。 証言利用 - 「信憑性がある」とされる人に語らせる事で、自らの主張に説得性を高めようとする(権威に訴える論証)。 平凡化 - コミュニケーションの送り手が受け手と同じような立場にあると思わせ、親近感を持たせようとする。 カードスタッキング - 自らの主張に都合のいい事柄を強調し、悪い事柄を隠蔽する。本来はトランプの「イカサマ」の意。情報操作が典型的例。マスコミ統制。 バンドワゴン - その事柄が世の中の権勢であるように宣伝する。人間は本能的に集団から疎外される事を恐れる性質があり、自らの主張が世の中の権勢であると錯覚させる事で引きつける事が出来る。(衆人に訴える論証) J.A.C.Brownによれば、宣伝の第一段階は「注意を引く」ことである。具体的には、激しい情緒にとらわれた人間が暗示を受けやすくなることを利用し、欲望を喚起した上、その欲望を満足させ得るものは自分だけであることを暗示する方法をとる[1]。またネットキャッシング ,N.Gutermanは、煽動者は不快感にひきつけられるとしている[2]。 その他の手法については情報操作を参照のこと。 有史以来、政治のあるところにプロパガンダは存在した。 ローマ帝国では皇帝の名を記した多くの建造物が造られ、皇帝の権威を市民に見せつけた。フランス革命時にはマリー・アントワネットが「パンがなければお菓子(ブリオッシュ)を食べればいいじゃない」と語ったとしたものや、首飾り事件に関するパンフレットがばらまかれ、反王家の気運が高まった。 プロパガンダの体系的な分析は、アテネで紀元前6世紀頃、修辞学の研究として開始されたと言われる。自分の論法の説得力を増し、反対者への逆宣伝を計画し、デマゴーグを看破する技術として、修辞学は古代ギリシャ・古代ローマにおいて大いに広まった。修辞学において代表的な人物はアリストテレス、プラトン、キケロらがあげられる。古代民主政治では、これらの技術は必要不可欠であったが、中世になるとこれらの技術は廃れて行った。 テレビやインターネットに代表される情報社会化は、プロパガンダを一層容易で、効果的なものとした。わずかな費用で多数の人々に自らの主張を伝えられるからである。現代ではあらゆる勢力のプロパガンダに触れずに生活することは困難なものとなった。 日本人をカリカチュアライズした、オンラインゲーム の勤労意欲を刺激する為のプロパガンダポスター、第二次世界大戦中。訳:どうぞ休みを取って下さい!国家による大規模なプロパガンダの宣伝手法は、ロシア革命直後のソ連[3]で急速に発達した。 レーニンは論文[4]でプロパガンダは「教育を受けた人に教義を吹き込むために歴史と科学の論法を筋道だてて使うこと」と、扇動を「教育を受けていない人の不平不満を利用するための宣伝するもの」と定義した。レーニンは宣伝と扇動を政治闘争に不可欠なものとし、「宣伝扇動」(agitporp)という名でそれを表した。このレーニンの理論に基づき、ソビエト共産党をはじめとする共産陣営はかつて無い規模の宣伝活動を行った。そのためソ連は「世界初の宣伝国家」とも呼ばれる。 1930年代にドイツの政権を握った国家社会主義ドイツ労働者党は、政権を握る前から宣伝を重視し、ヨーゼフ・ゲッベルスが創刊した「デア・アングリフ」紙や、フェルキッシャー・ベオバハター紙による激しい言論活動を行った。また膨大な量のビラやポスターを貼る手法や、突撃隊の行進などはナチス党が上り調子の政党であると国民に強く印象づけた[5]。 ナチス党が政権を握ると、指導者であるアドルフ・ヒトラーは特にプロパガンダを重視し、ゲッベルスを大臣とする国民啓蒙・宣伝省を設置した。宣伝省は放送、出版、絵画、彫刻、映画、歌、オリンピックといったあらゆるものをプロパガンダに用い、ナチス党によるドイツとその勢力圏における独裁体制を維持し続けることに貢献した(ただし、ナチスの宣伝効果は限定的であったという指摘をする研究もある。)[6] 第二次世界大戦中は国家の総動員態勢を維持するために、日本やドイツ、イタリアなどの枢軸国、イギリスやアメリカ、ソ連などの連合国を問わず、戦争参加国でプロパガンダは特に重視された。終戦後は東西両陣営の冷戦が始まり、両陣営はプロパガンダを通して冷たい戦争を戦った。特に宇宙開発競争は、陣営の優秀さを喧伝する代表的なものである。 宗教組織や企業、政党などの組織に比べて、強大な権力を持つ国家によるプロパガンダは規模や影響が大規模なものとなる。国策プロパガンダの手法の多くは革命下のロシアなど全体主義・社会主義の国で発達した。これらの国では情報活動が国家によって統制・管理されるため、国家による国内に対するプロパガンダは効率的で大規模なものとなる。 どのような形態の国家にもプロパガンダは多かれ少なかれ存在するものだが、社会主義国家や ファシズム国家、開発独裁国家など、情報を国家が集中して管理できる国家においては、国家のプロパガンダの威力は強大なものがある。また、特定のグループが政治権力とメディアを掌握している国でも同じ事が起こる。 こうした国家では、国家のプロパガンダ以外の情報を入手する手段が著しく限られ、プロパガンダに虚偽や歪曲が含まれていたとしても、他の情報によって情報の精度を判断することが困難である。 また、国家のプロパガンダは国家、政府機関、政党などが直接手がけるとは限らない。民間団体や民間企業、個人が自主的、受動的、または無意識に行う例もある。 ソ連のヨシフ・スターリンの肖像画プロパガンダには様々なメディア・媒体が利用されるが、マスメディアは、一度に多くの対象に強烈なメッセージを送ることができるため、プロパガンダの要として最も重要視されている。権威主義的国家では、マスメディア(インターネットメディアを含む)に対する様々な統制が行われ、実質体制の宣伝機関となっているところもある。 自由主義国家では利益関係はさらに複雑なものがあり、体制からの圧力だけではなく、私企業・外国・政党・団体の影響を受け、プロパガンダを行うこともある。また、新聞社や雑誌社、テレビ局のスタッフ等の個人的信条が影響を与えることがある。 ソビエト連邦では、アメリカ合衆国の「貧富の差」を強調してアメリカの貧民街や低所得者の住宅などの映像を流すプロパガンダを行った。しかし、配給不足が慢性化するにつれ視聴者は干してある下着など生活物資の豊富さに気づき、結果的にプロパガンダとしては逆効果となった。 王制国の国営放送では、定時ニュースのトップは国王の動静に関する事項であることが多い(絶対制の国に多いが、イギリスやタイなど立憲制の国にも見られる)。 軍事パレード(観閲式観艦式)や兵器実験、またマスゲームや元首・指導者演説の様子をニュース映像に取り入れ、自国の軍事力、指導者の権威を宣伝する。また対立国ではこれを逆用し相手国政府の異常さと脅威を強調する。 ニュース番組や討論番組などで特定の団体の構成者やその支持者を多く出演させ世論の支持が大きいように見せる。 政策等で政策上の争点を限定し、世論を誘導する。 討論番組などで、出演者が放送局の意向に合わない意見を出すと、司会がわざと別の話題に話をそらしたり大声で相手の話を遮り妨害する。 特定の政党や勢力を持ち上げ、その組織に都合の良い番組構成にする。または対立する勢力への批判を行う。 戦争報道ではエンベデッド・リポーター(自軍に都合のいい記事だけ書く従軍記者)のみの同行を認める。特に湾岸戦争以降のアメリカ軍が重視している。